街の灯り、星のきらめき
今週のお題「星に願いを」
街灯りの雑踏の中で星の灯を想像するのは容易くない。
どんな人でも☆星そのものに託す願いは、その願い方は様々、、。
どんな場所でもどんな場面でもその託し方は千差万別、、、。
大きな願い、ささやかな希望。
古代いやおそらく原始時代より夜空にきらめく星々は、
人々の祈り、希望の象徴だったにちがいない。
現在自分がおかれた場所でその現状で、このようにあのようにと何かを変えようとするとき、
自分の力を超越したものを必要としたとき、
地上ではなく天空から地上を照らす太陽、暗闇でも静かに夜空に浮かぶ月、
そして満天に煌めく星々、、
これらを自然と温かさや明るさとして体感することで、
日々その恩恵を自然と学習し、感謝したにちがいない。
特に太陽や月はその動きや傾き方など変化するのに対し、
星はその天球上での位置は一定でその瞬き方の度合いは違っても、
間違いなく仲良く並んで瞬いている。
このことに誰もが自然と気づき、人間を遥かに超越したものを感じ取っていたにちがいない。
だから星々にたいする崇拝は、古代から呪術、占星術、そして宗教へと発展していったのは誰もが納得するところ。
具体的には数多くの国々でその国旗には、
太陽、月、星などのデザイン、文様が使われている。
それらの国家どうしが、過去に数多く戦火を交えたことを、
天空の森羅万象の有象無象の神々はどう眺めているのだろうか、、、。
胸に黄色い星の紋章を付けて抹消された膨大な人々。無残、無念、無言、沈黙。
今迄、身近に応えてくれそうな漠然とした予感を、
星々に対し、誰もがそのささやかな煌めきに感じ取っていたのだろうか?。
きっとそうに違いない。でなければ、万国共通して星々を崇拝するようなことにはならなかったはずだ。
さて、文学の世界でも天空の星をテーマとした著作は数知れないが、
中でも有名なのは、フランスのサンテグジュペリ(作家、飛行士1900-1944)作の
この作品は寓話の世界にしては人間そのものの存在の在り方を教えれくれる場面が、たくさん見られる。
その中でも第14章のこんな話は参考になる。
王子様が5つ目にたどり着いた惑星は、街灯が一本立っていてその点灯夫が一人いるだけのとても小さな惑星。
~街灯を点けることは星を一つ生み出すこと、花を一輪生み出すことだから。街灯を消すことは星や花を眠らすことだから。これはすてきな仕事だ。すてきだということは役に立っているということだ。~星の王子様、集英社文庫
図らずも、生きる意味を様々な場面で読者に問いかけてくるこの作品は、
「星に願いを」というテーマにぴったりとフィットするものなので取り上げました。
説教じみた文節はなく、王子様が訪ねて出会う色々な惑星の住人が要所で意味深い言葉を発する、、。
そこから読者はどう感じ、どう解釈するのか、、。
実はこれ私roadpostの愛読書なのですが、読むごとにその感じ方が違っているので、
だからこれは一見おとぎ話の作品のようで、一種の教養書のように思います。
星や神様になんでも頼めば済むような安易さではなく、
自身やその身近になんでもいいから心のよりどころを見出せば、、
それが、その行為、意識そのものが、心の星々の煌めきとなって、、
自身に助けとなるでしょう。
あいにく今年の七夕は悪天候が災いしてとんでもない事態となりました。祈り。
でも心の星々、心の拠り所を一人一人見出せば、、
小さなことからでも何かかなうはず。
先の星の王子様の中の点灯夫のようにただひたむきにその小さな惑星を照らし続けること、、、図らずも日本の仏教にも「一隅を照らす」という理念があるように。
お互い身近なものどうしが、その足元を照らしあえれば、
つまずくことなく歩めるはず、、。
これが真の心からの「星に願いを」。